今シーズンお疲れ様でした。優勝とはいかなかったものの今季も楽しませてもらいました。そんな島根の今シーズンを振り返ろうと思います。
今季の勝率 37勝23敗
スタッツリーダー
得点 16.3 安藤誓哉
リバウンド 9.7 マカドゥ
アシスト 3.9 安藤誓哉
平均得点 79.8(リーグ10位)
平均失点 75.3(リーグ6位)
ざっとスタッツを並べるとこんな感じですね。このあたりのスタッツを昨季と比べながら色々語っていこうと思います。
開幕前の話では・・・
この記事でも語っていますが、昨季の課題・今季の補強ポイントは
①昨シーズンの課題は個人アタック・リバウンド・DFだったということがわかる。
②そのため今シーズンはDFとリバウンドで優位性がとれるようなロスターにした。
③バズソーをやめ、ペースを落としていく。
ということである。
そのため、大エース、ぺリン・ビュフォードを放出し、マカドゥ、クラークをとったのである。
実際にどうだったか?
では昨季と今季の失点、ペースを見ていこう
今季75.3点 昨季78.7点
今季のリーグ平均得点が78.6、昨季のリーグ平均得点が78.9なので、リーグの平均得点がほぼ代わっていないにも関わらず、島根の平均失点は3点近く落ちている。これはDFの強化は成功したと言ったもいいのではないでしょうか?
ペースについては
今季は1試合平均70ポゼッション(リーグ19位)、昨季は1試合平均70.25ポゼッション(リーグ18位)
と微減である。確かに開幕直後はペース落としているなと言う印象を受けましたが、リーグ後半になるにつれて、またマーフィーが加入したこともあり、ペースが上がっているように見えました。その辺のデータは調べても出てこなかったのですみません・・・マーフィー加入前と加入後とかのデータあるといいなと思っていたのですが。見つけた方おられたら教えてください。
移籍組はどうだったか?
今季移籍してきた、マカドゥ、クラーク、エバンスの3人のスタッツを昨季と比べてみましょう
マカドゥの今季 59試合出場 12.6ppt FG50% 3pFG33.3% FT55.8% 9.7R 2.3A 1.9S
マカドゥの一昨季 50試合出場 15.0ppt FG59.1% 3pFG12.5% FT58.1% 8.5R 2.1A 1.5S
まず、59試合出場できたことが素晴らしいですね。昨季は1試合も出場がありませんでした。その前は48試合、さらにその前は49試合でした。健康体で過ごすことができたシーズンでした。外国籍の健康が非常に勝敗を左右するBリーグにおいて1シーズン通して出場できたことはかなり大きかった。
成績を見るとFG%が下がっています。一昨季と比べるとゴール下以外のフローターが47%⇨40%と下がっています。ここがきつかった。シーズン終盤はことごとく外れていました。ここの確率が上がってくると平均得点も一昨季と同水準まで上がってきそうです。また、今季中盤から新しく3pを打ち始めました。まだ試投数は0,4本と少ないのでなんとも言えませんが、来季以降3pの試投数が増えてくるのは間違いなさそうです。スティール王獲りたかったね。
クラークの今季 41試合出場 14.4ppt FG46.2% 3pFG38.3% FT83.7% 5R 3A 0.7S
クラークの一昨季 57試合出場 16.1ppt FG41.6% 3pFG35.9% FT84.4% 7.5R 4.8A 1.2S
怪我・コンディションに苦しみ、リズムに乗り切れないシーズンとなりました。もう少しクリエイトするタイプかと思っていたんですが、島根ではアイソレーションを中心にオフェンスを任されておりパスとシュートのバランスが難しかった。ただアシストは結構目立っていたよね。CSでもマカドゥとのアリウープあったし。もう少しオフェンスで崩してからボールを欲しかったのかもね。ビュフォードの代わりというイメージがあったが同じ役割は難しかったね。この辺はHC次第なのかもしれないが・・・
ただあの理不尽スリーは見ていてワクワクしたよね。あれが入ると天井が飛ぶんじゃないぐらい盛り上がるので個人的には大好きでした。あといい人そうで見ていてほっこりしました。
クラークの今季 58試合出場 10ppt FG48.9% 3pFG26.9% FT52.5% 6.5R 1.8A 0.6S
クラークの昨季 38試合出場 9.5ppt FG43.7% 3pFG32.2% FT41.6% 7.9R 2.1A 0.7S
初めて知ったんですが昨季は38試合しか出てなかったんですね。島根のスタッフ有能なのでは?と思いつつ去年のマーティンみたいな例があるしなと我に帰りました。
ショットチャートを見るとトップ・ウィングからの3Pを減らし、よりペイントエリアの試投数を増やしています。3Pをコーナーにしぼったのはいい判断だったと思います。役割をうまく分担できていました。FTは昨季より改善傾向にあるんですね。ただ60%決めているシーズンもあるのでもう少し決めて欲しかった。
どの選手も活躍していましたが、ビュフォードの穴埋めをできたか?という視点で見れば疑問符がつくと思います。ただ、チームの雰囲気はとても良さそうだったよね。悪いけど昨季はピリピリしてて目を背けたくなるシーンがあった印象です。そういう意味では個人よりチームへと移行していったスサノオマジックでした。ではそのチームはどうだったのでしょうか?
シーズンで見られた傾向と対策
今シーズンはよりインサイドを強調しスローダウンしたバスケットをしていくと語ったヘナレ。実際に島根が勝つ試合というのはリバウンドで勝っている時でした。
島根がリバウンド数で勝っている時の勝敗 32勝15敗 (手集計なので間違っていたらすみません)
相手よりリバウンドで勝てると勝率がグッと上がった島根。全体的な傾向として見られるのは
エバンスに対抗できる選手がいないチームには負けない(ゴール下)
ということでした。エバンスのミスマッチを生かしインサイドで優位をとっていく戦い方は去年の
ビュフォードに対抗できる選手がいないチームには負けない(ペリメーター)と比べて
ゴール下の方がペリメーターよりも確率的には高いため、安定感のある戦いをしていくように見えました。しかし、なぜか下位チームに取りこぼしが目立ちました。その1つの要因としてFTが挙げられるでしょう。まぁこれは言ってもしょうがない。最初からわかってたことだから。もう1つはエバンスがシーズンが進むにつれて予想以上にフィジカルを削られたということでしょう。もう少し体を張って欲しいところでしたがコーナー3Pを打ったり、フェイダウェイに逃げたりすることが多々ありました。やっぱりケイや安藤、ビュフォードが異常なんだよね。そしてこう考えると去年と比べてチームの天井がビュフォードからエバンスに変わっただけなようにも見えました。現状Bリーグはどのチームもウィングを多く揃えているわけですが(島根以外)インサイドで3枚揃えることができるチームはそう多くありません。そうなってくるとインサイド3枚で優位性と取るという島根の戦略は間違ってはなかったわけです。少なくともレギュラーシーズンは。ここが難しかったね。レギュラーシーズンで勝てる相手にはほぼ勝てるけど、負ける相手にはほぼ負けるっていうシーズンでした。
ロスターの意図
そもそもなぜこのようなインサイド偏重のロスターにしたのかと言えば琉球対策でしょう(おそらく)
琉球のインサイドに対抗するために島根もインサイドを強化したように見えました。ペースを落としリバウンドで上回り、琉球と正面から戦いました。実際、レギュラーシーズンは3勝1敗と初めて琉球に勝ち越しました。ただ、CSでは足りなかった。終わってみればやっぱり琉球のインサイドは厚かった。本当は島根は琉球に対してインサイドで対抗するのではなくて、ペースを上げて平面で対応するのが正解だったように見えました。まぁ結果論ですが。マカドゥ・エバンス共に走れるし、クラークもアウトサイドがあります。ペースを落とすのではなく、逆に上げてオールコートで戦いたかった島根でした。ただ、それにはメンバーが足りなかった。納見・白濱が離脱し、ワイリーも使えないほぼ8人ローテの中でオールコートで40分間戦うのはかなり厳しそうに見えました。オールコートで戦う方が強そうだが、オールコートで戦えるほどメンバーがいないというジレンマがありました。
白濱の怪我は予想外でしたが、開幕の段階からウィングの枚数も少なく、ロスターに幅がないことにより多様な戦術が取れずいつも同じような試合展開が続きました。見ていてここが1番きつかったね。いつもやることが一緒で相手が対策するとそれに対してのアンサーが「もっと頑張る」以外ありませんでした。
来季に向けて
さて移籍・残留でドギマギしている現在ですが、個人的には来季は育成の年にして欲しいですね。ヘナレの4シーズンはWin nowモードで毎年毎年シーズン終盤になるにつれてすり減らすシーズンでした。若手を育てるわけでもなく、育てたい若手がいるわけでもなくただただ優勝するために現ロスターの練度を高めるシーズンでした。それはそれで楽しかったですが、優勝が見えないシーズンは見ててつらかった。閉塞感というか手詰まり感がありました。特に今年とか。
なので、来シーズンは若手を使って再来年のBプレミアを見据えた育成のシーズンが見たいと個人的には思っています。もちろんCSには行って欲しいですが、「この選手たちが育ったらどうなるんだろう?」「開幕と比べてめちゃくちゃうまくなったな!」と期待するシーズンも悪くないんじゃないかと思います。ケイを含めた外国籍の年齢は若干気になりますが・・・噂だと次のHCはタイムシェアするHCだそうで。今季とはまた違ったチームになりそうです。個人的にはかなり楽しみなシーズンになりそうです。今年もたくさん楽しませてくれたスサノオマジック。来季も楽しみですね!
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