まずはFE名古屋の皆さん、普通にやれば2勝できるとかいってすみませんでした。しっかり島根の皆さんは反省しましょう。
得点を取れないオフェンス
名古屋は平均失点が79.5点と決してDFがいいチームではありません。しかしGAME1では67点、GAME2後半では27点と全く点が取れませんでした。
先日の予習記事でも述べましたが、ロースコアゲームに持ち込まれたわけです。ここまで得点が取れない理由を今回は考えてみましょう。
通用しなくなったペイントアタック
島根の今季の強みはインサイドアタックでした。ショットチャートの分布を見ると今季シュートの50.1%はペイントエリアから放っています。
どういうパターンが多いか考えてみましょう。(あくまでも印象です。)
①インサイド陣のオフェンスリバウンド
②クラーク選手、マカドゥ選手のポストアップ
③マカドゥ選手のPnRからのフローター
④安藤選手のドライブ
このうちFE名古屋戦GAME1では③④が全く決まりませんでした。GAME2では②の特にクラーク選手が全くダメでした。④もダメでした。つまりまずはインサイドという島根の定石が通用しなくなっているのです。もう少し深掘りしましょう。
例えば、群馬戦。相手にはターズスキー選手というビッグマンがいます。もちろんマッチアップはマカドゥ選手です。別に②マカドゥ選手のポストアップにこだわる必要はないのにポストアップが目立ちました。特にスクリーンなどする素振りも見せず、マッチアップをずらすわけでもなくポストアップしていました。一方、クラーク選手はトレイジョーンズとの体重差を生かすわけでもなくアウトサイドに広がりまっていました。こういうところのアジャスト能力の無さはヘナレHCの課題なわけです。つまり相手からすれば「マカドゥ?フローター撃たせとけ」「クラーク?難しい体勢からフェイダウェイ撃たせて転んだところを速攻狙え」「エバンス?3P撃たせとけ」「ただしDFリバウンドは全員参加な。イージーバスケットさせるなよ。外へ弾き出せ」とやってくることが変わらないので守りやすいですよね。同じやってることが変わらないなら止められないビュフォード選手の1on1の方がマシですらあります。そういうチームと決別したと思っていた開幕節でしたが、結局負けが重なると新しいことを捨て以前に戻ってしまった島根でした。
キレがなさすぎるガード陣
島根のガードは4人います。安藤選手、津山選手、納見選手、北川選手です。このうち北川選手を除く3人はどちらかと言えばアウトサイドのシュートを優先するタイプで、ドライブが得意ではありません。安藤選手はドライブはしますが自分のシュート優先です。キックアウトのパスはそこまでうまくありません。つまり、ガードにオフェンスの起点を作成する選手が少ないのです。そういう意味では千葉戦、群馬戦で見せた北川選手のドライブはいい味を出していました。これまでの島根にはない風を起こしてくれました。ただ、津山選手が復帰、納見選手が復調するにつれ、出場時間が減っていきました。北川選手が下がると誰もペイントタッチできずに24秒すぎてしまうことも多くなっていきました。そういう意味では怪我をしてしまった白濱選手のコーナーからのドライブが恋しくなってしまいます。
FE名古屋戦GAME2前半ではそんな現状を打破しようと、展開を早くし、エバンス選手やマカドゥ選手がリムランしペイントタッチをしていきました。また、ポストアップからではなくマカドゥ選手が走ってペイント内へアタックしアリウープやキックアウトする展開が見られました。前半だけでファストブレイクからのポイントが11もありましたが、後半はリードがあったためかペースを落としました。(後半は5点)まぁリードしてたらそうなるよねと思いつつも追いつかれたらまた走ればいいんじゃない?と思ったりしていました。逆に名古屋はペースを上げてヘンリー選手のダンクなどにつなげていました。
上の2つに共通しているのはヘナレのゲーム内でのアジャスト能力の低さです。試合後のアジャスト能力は素晴らしいと思います。事実バウンスバックして勝利する試合が多いですし、3年前に東京に勝ったCSでの修正力は見事でした。しかしゲーム中の修正は疑問符がつきます。例えばFE名古屋は昨日は杉本選手のプレータイムが長く今日は保岡選手のプレータイムが長かったです。まぁ使える選手が多いのはチーム事情かもしれませんが。前節まで調子の良かった北川選手は津山選手の復帰とともにどんどん出場時間が減らされていきました。GAME2後半のような閉塞感が出た時にはエバンス選手を下げて晴山選手を入れて3Pを打ってもらう、安藤選手を下げて北川選手を入れてペースを上げるなどもう少し柔軟にできないものかなと思います。ワイリー選手も使わなくなると一切使わなくなりました。谷口選手も全く使われていません。その2人を使えという話ではなく、使い方を考えろと言っているのです。もしかしたら絶好調の日で5分でも時間をつないでくれるかもしれません。3Pを3本決めてくれるかもしれません。そうやって少しずつ主力選手の負担を減らしていかないと今日のような負けにつながるのです。
ビュフォード選手の呪い
さて色々言いましたがここからはただの個人の感想です。
昨シーズンでスーパーエース、ぺリンビュフォード選手とお別れをしました。強烈なパッションで勝利を渇望する彼の姿が非常にかっこよかったです。どれだけ敗色濃厚になっても最後まで果敢にリングにアタックしスーパーブロックを決め最後まで諦めない姿勢を見せてくれました。今のチームをビュフォードが見てなんというのだろうと考えてしまったりします。しかし、その強烈すぎるパッションのあまり、周りの選手への不満げなボディランゲージやジェスチャーでチームメイトを萎縮させていたわけです。その結果第4Q終盤はケイ・安藤・ビュフォードの3人しかシュートを打てないといった状況になっていきました。また、過去3シーズンは起点作成役をビュフォード選手が担っていたこともあり安藤選手以外の起点作成の意識が希薄になってしまいました。その呪いはビュフォード選手の移籍とともに解かれると思っていましたが、どうやら違ったようです。いつの間にか昨シーズンまでと同じいつものメンバーがいつものようなプレーをし、いつものようにバスケットをするチームに舞い戻っていました。そして神経をすり減らし、成長ではなく成功だけを追い求めるチームに舞い戻っていきました。ボールを持っている選手が起点を作り後の選手はそれに合わせて動くだけになってしまっています。また、リードしている時は果敢な姿勢を見せる選手たちも追いつかれると途端に不安定なプレーを見せ始め、安藤選手やクラーク選手にボールを集めます。いなくなってもまだまだビュフォード選手の亡霊を追いかけている選手が多いです。この根深い問題を解決するのにもしかしたら今シーズンまるまるかかるかもしれません。戦術ではなくメンタルの問題です。
最後に、私は第4Q終盤に北川選手や晴山選手、谷口選手が勝負を決めるプレーが見たいよ!!!!
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